厚労省が過労死等防止対策大綱の改定案を公表

◆2015年(平成27年)に策定された現行版を改定

厚生労働省は4月24日、過労死等防止対策大綱の改定案を公表致しました。大綱では、過労死や過労自殺を防ぐために国が取るべき対策がまとめられています。3年ごとに見直すこの大綱を、政府は今夏にも閣議決定する方針です。
今回の改定案では、将来的に過労死をゼロにすることを目指し、労働時間、年次有給休暇の取得、勤務間インターバル制度およびメンタルヘルス対策について、数値目標を設定することが盛り込まれました。

◆労働時間

2020年(平成32年)までに週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下とするとしています。また、長時間労働の是正対策として、労働時間をICカードなどの「客観的な記録」で会社側が確認することを原則とすることが新たに明記されています。
さらに、仕事と子育てや介護を無理なく両立させるためには、長時間労働を是正し、働く人の健康を確保することによって、ワーク・ライフ・バランスを改善し、女性や高齢者が働きやすい社会に変えていくため、原則として、月45時間かつ年360時間とする時間外労働の限度について周知・啓発を行う方針です。

◆年次有給休暇の取得

取得率は5割を切っています。これを2020年(平成32年)までに70%以上とし、特に、年次有給休暇の取得日数が0日の者の解消に向けた取り組みを推進するとしています。

◆勤務間インターバル制度

欧州では1日24時間につき最低連続11時間の休息時間の確保を義務化していることを参考に、導入を促進します。2017年(平成29年)の調査では、制度の導入割合はわずか1.4%でした。制度を導入していない企業(92.9%)のうち制度を知らなかった企業が40.2%で、この周知が課題となります。今回、新たに数値目標を盛り込むこととしています。(数値は未定)。

◆メンタルヘルス対策

メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合は、長期的には増加しているものの、56.6%といまだ5割台に留まっています。これを2022年度(平成34年度)までに80%以上とするとしています。また、労働者のメンタルヘルスの不調の原因にもなり得るパワーハラスメントへの対策については、その予防・解決のための周知・啓発を進めることが重要であるとして、今年3月の検討会での報告を踏まえ、必要な対応を検討していくとしています。


就業規則を備えていないと、なぜいけないのか?

就業規則を備える必要のある会社は、「常時10人以上」と労働基準法で定めれておりますが、では、なぜ就業規則が必要なのでしょう?

1人で個人事業をしているような方であれば、自分のことは自分でわかっているので、何でも自分でやってしまうでいいと思います。

では、2人になったらどうでしょう?普段からお互いに対面して意思疎通しているので、問題があればその場で解決するでしょう。

では、5人になったら?まだ、同じ机の島で、社長と直に従業員が対面して話ができると思います。

では、10人を超えて、20人になったら?それぞれの部署に机の島が分かれ、社長との距離はちょっと遠くなった感じがします。

50人~100人になったら?大体、社長と話すのは部署のリーダークラスで、一般社員が、普段の仕事で社長と話す機会は皆無に近いと思います。

つまり、社長が何を考えているのか、直接話して納得した上で働くことができれば、それが一番いいのですが、1対多数に給与を始めとした労働条件について、いちいち説明することができなくなってくるということなんです。

しかし、従業員が沢山いるような会社では、直接はできないですよね。なので、就業規則というルールを定めておけば、それに則った形で、労働条件が決まって人事担当者が社長の代わりに従業員に説明することもできるようになってくるわけです。

また、就業規則は、法律に書いていないこともルールとして定めることができます。むしろ、これこそが就業規則を作成するメリットといいますか意義になってきます。

たとえば、フレックスタイム制などの弾力的な働き方を導入するという場合などには、就業規則(及び労使協定)に定めて届け出て、きちんと従業員に周知しておかないとできません。実態の働き方はフレックスだけれども、就業規則(及び労使協定)がないがゆえに、莫大な残業代を支払うことになってしまったということも少なからずあります。

無免許運転で公道を走るようなものです。

高いか安いかは、一回やってみないとわかりませんが、あまりお勧めはできないと思います。


この記事を読んで、ギクり!と来られた事業主の方は要注意。

労働基準法では、様々な義務が使用者側に課せられますが、中でも日々の勤怠管理は適正に行っていないと、後から大変なことになります。もちろん、その適正な勤怠管理に基づいて支払われる賃金についても適正でなければならないということですが、タイムカードがなくて、紙ベースで従業員の勤怠管理を行っているという事業所さんは、以下のガイドラインのような注意が必要ですので、ご一読ください。

 

~労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインより抜粋~

(1)始業・終業時刻の確認及び記録

使用者は、労働時間を適正に把握するため、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録すること。

 

(2)始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法

使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次のいずれかの方法によること。

ア 使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること。

イ タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること。

 

(3)自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置

上記(2)の方法によることなく、自己申告制によりこれを行わざるを得ない場合、使用者は次の措置を講じること。

ア 自己申告制の対象となる労働者に対して、本ガイドラインを踏まえ、労働時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な説明を行うこと。

イ 実際に労働時間を管理する者に対して、自己申告制の適正な運用を含め、本ガイドラインに従い講ずべき措置について十分な説明を行うこと。

ウ 自己申告制により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること。特に、入退場記録やパソコンの使用時間の記録など、事業場内にいた時間のわかるデータを有している場合に、労働者からの自己申告により把握した労働時間と当該データで分かった事業場内にいた時間との間に著しい乖離が生じているときには、実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること。

エ 自己申告した労働時間を超えて事業場内にいる時間について、その理由等を労働者に報告させる場合には、当該報告が適正に行われているかについて確認すること。その際、休憩や自主的な研修、教育訓練、学習等であるため労働時間ではないと報告されていても、実際には、使用者の指示により業務に従事しているなど使用者の指揮命令下に置かれていたと認められる時間については、労働時間として扱わなければならないこと。

オ 自己申告制は、労働者による適正な申告を前提として成り立つものである。このため、使用者は、労働者が自己申告できる時間外労働の時間数に上限を設け、上限を超える申告を認めない等、労働者による労働時間の適正な申告を阻害する措置を講じてはならないこと。また、時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払等労働時間に係る事業場の措置が、労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因となっていないかについて確認するとともに、当該要因となっている場合においては、改善のための措置を講ずること。さらに、労働基準法の定める法定労働時間や時間外労働に関する労使協定(いわゆる36協定)により延長することができる時間数を遵守することは当然であるが、実際には延長することができる時間数を超えて労働しているにもかかわらず、記録上これを守っているようにすることが、実際に労働時間を管理する者や労働者等において、慣習的に行われていないかについても確認すること。

 


3月24日 起業支援セミナーを実施しました。

3月24日(土)13:00~15:00 ちばセミナールームにて、「起業支援セミナー」を実施しました。

今回は、初回ということで、起業家の方は少なかったのですが、1コマ25分×2回という短い時間でしたが、大変盛り上がりました。

「挑戦工房やえひとえ」では、今後もこのようなセミナー活動を行っていきます。千葉で起業を考えている起業家の方は、是非、ご参加いただければと思います。

また、ブログ等も配信しておりますので、是非、ご覧になってください。

~挑戦工房やえひとえブログ サムライエイト~

http://samurai-chiba.com/

 

集客パートナー 田中 良平さん

購買心理を意図的操作!どんな業種でも実践できる売上アップ手法

 

 

 

 

 

 

 

中小企業診断士 西 泰宏さん

事業成功のための商材の基本

 

 

 

 

 

 

 

資金調達専門行政書士 柿崎 満佳さん

創業融資の成功率を劇的に上げる方法

 

 

 

 

 

 

 

その後の懇親会の風景

 

 

 

 

 

 

 


募集時賃金の決め方について

募集時賃金は、人を募集する際には、一番重要な労働条件です。

では、一体どうやって決めているのかといいますと

第一に、市場価格(相場)

第二に、原資

第三に、属人的要素(資格、能力、経験年数等)

多くの場合、同業他社が募集している価格を参考に募集時の賃金を決めることが多いのではないでしょうか? それが最も、合理的な手段だとは思いますが、高く設定してしまいますと、後で低く変えるということはできません。ですので、慎重に決める必要があります。資格、能力、経験年数等の属人的要素を決める際も同様です。

では、原資とは何かといいますと、例えば、年収300万円の新入社員を50名雇い入れたとすると、合計年間1億5,000万円必要です。これが必要な原資になります。業種により差はありますが、一般的に労働分配率(人件費÷売上総利益)は、40~60%といわれております。仮に労働分配率が40%だとして計算してみると、1億5,000万円÷40%=3億7,500万円の売荒が必要ということになり、商品の原価率が70%と仮定した場合、3億7,500万円÷30%=12億5,000万円の年間売上が追加で必要になってきます。逆にいいますと、予算組みをする際には見越して計上しておく必要があります。

このように、募集をする際には賃金が重要だと申し上げてきましたが、最近の労働市場は、求職者の方が売り手で、合同説明会等を開いても、なかなか人が集まらない等ご苦労されている会社さんが多いと聞きます。求職者側も、より良い会社を求めて就職活動をしておりますので、賃金だけでなく、会社の健全性、休日数や福利厚生面等を学校OBやインターン等を通じて、情報を吟味して就職先を決めております。

ですので、実は、募集をするにあたっては、賃金や労働条件のみならず、その他の福利厚生面も全部含めて整備しておくことが大前提になります。特にインターンシップ制度はもはや必須といえる程になっております。先輩社員が1人ついて後輩社員の面倒を見る制度等を取り入れ、働きやすい職場づくりに取り組んでいる会社もあります。

他社の真似すればいいというものではなく、御社に合った、御社なりのやり方で取り組めるものがあれば、取り組んでいけば良いと思います。社労士は、そのお手伝いをするためにおりますので、是非、ご活用いただければと思います。


就労条件総合調査にみる 企業の労働時間制度

◆2017年の結果が公表

厚生労働省から、2017年「就労条件総合調査」の結果が公表されています。この調査結果により、現在の民間企業における就労条件の現状がわかりますので、その内容を見ていきましょう。

◆所定労働時間はどれくらい?

1日の所定労働時間は、1企業平均で7時間45分(前年調査結果と変わらず)、労働者1人平均では7時間43分(前年調査では7時間45分)。週所定労働時間は、1企業平均で39時間25分(同39時間26分)、労働者1人平均では39時間01分(同39時間04分)でした。
産業別でみると、金融業、保険業で最も短く(1企業平均週所定労働時間38時間01分)、宿泊業、飲食サービス業で最も長く(同40時間11分)なっています。

◆休日形態は?

「何らかの週休2日制(完全週休2日制/月3回や隔週など完全週休2日制より休日日数が実質的に少ない制度)」を採用している企業割合は87.2%(前年88.6%)、完全週休2日制より休日日数が実質的に多い制度を採用している企業割合は6.0%(前年5.8%)、週休1日制または週休1日半制を採用している企業割合は6.8%(前年5.6%)となっています。

◆年次有給休暇の取得状況は?

2016年(または2015会計年度)の1年間に企業が付与した有給日数(繰越日数は除く)は、労働者1人平均で18.2日(前年18.1日)。
そのうち、実際に労働者が取得した日数は9.0日(前年8.8日)で、取得率49.4%(前年48.7%)となっています。

◆病気休暇制度の有無、付与日数は?

病気休暇制度がある企業割合は32.5%で、そのうち、病気休暇取得時に賃金を「全額」支給する企業割合は33.2%、「一部」支給とする企業割合は18.8%、「無給」とする企業割合は47.7%です。
病気休暇の1企業平均1回当たりの最高付与日数は246.0日で、賃金の支払状況が「全額」の場合では97.6日、「一部」の場合は294.1日、「無給」とする場合は354.5日となっています。


全国の「休廃業・解散」の動向

◆2017年の「休廃業・解散」は2万4,400件

2017年の企業倒産件数(法的整理による倒産、負債1,000万円以上)は8,376件と、2009年以来8年ぶりに前年を上回った。特に、飲食店などの「小売業」や人材派遣などを含む「サービス業」の倒産件数が顕著で、個人消費の伸び悩みや人手不足が背景である倒産が目立つ。

また、中小・零細企業を中心に後継者難や代表の高齢化が深刻化しており、倒産に至らないまでも事業継続を断念し、「休廃業・解散」を選択する企業は倒産の約3倍で推移している。(2017年は2.9倍)

出典:帝国データバンク「第10回:全国「休廃業・解散」動向調査より抜粋


厚生労働省「モデル就業規則」が改定されました

◆「モデル就業規則」とは?

常時10人以上の従業員を使用する使用者は、労働基準法の規定(第89 条)により、就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署長に届け出なければならないとされています(就業規則を改定する場合も同様です)。
厚生労働省では、各企業が実情に応じた就業規則を作成できるよう、同省ホームページにおいて「モデル就業規則」(以下、「モデル規則」)を公開していますが、この度、これの改定が行われました。
企業はこのモデル規則の通りに規定を定めなければならないわけではありませんが、規定作成の際の参考にはなります。

◆今回新設されたモデル規則の規定例は、以下の枠内の通りです

【 「妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント」の禁止規定(第14 条) 】
妊娠・出産等に関する言動及び妊娠・出産・育児・介護等に関する制度又は措置の利用に関する言動により、他の労働者の就業環境を害するようなことをしてはならない。
【 「その他あらゆるハラスメント」の禁止規定(第15 条) 】
第12 条から前条までに規定するもののほか、性的指向・性自認に関する言動によるものなど職場におけるあらゆるハラスメントにより、他の労働者の就業環境を害するようなことをしてはならない。
【 「副業・兼業」についての規定(第67 条) 】
1 労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。
3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。
① 労務提供上の支障がある場合
② 企業秘密が漏洩する場合
③ 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
④ 競業により、企業の利益を害する場合
※なお、「労働者の遵守事項」(第11 条)の規定から、「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと。」が削除されています。

ただ、企業単位で、副業に関する規制を緩やかにするとはいっても、1日の就業時間の半分を使ってもいいということにはならないと思います。多くの場合は、始業前・終業後、休憩時間、休日等を使って副業をすることになるでしょう。そうすると、企業としては兼業している労働者の労働時間の全体的な把握はできないわけですから、どのくらい疲労の蓄積があるかどうかということは労働者本人にしかわからないということになってしまいます。そういったことを避けるためには、兼業対象労働者に対して定期健康診断とは別に、定期的に医師による面談を行うようにしたり、毎月どのくらい働いてますか?といったアンケートやストレスチェックなどを活用して、労働者の健康状態を逐一把握できるようにしておく必要があります。

そこまでのことができて、初めて、兼業させられると思うのは私の持論ですが、万一の際に、責任を問われるのは企業ということになってきてしまう可能性がありますので、大げさなことではありません。たとえば、もし、労働者が本業の仕事中に倒れて、それが明らかに兼業が原因で倒れたんだと断定できればいいのですが、その判断は非常に難しいと思います。逆に、健康状態の把握をしていれば、ここまではうちの責任だけど、ここまでは本人の責任ですということがいえます。

ただ単に、兼業をさせることができるということだけではなく、労働者の健康面を考えて、適切な制度設計を行うことをお勧めいたします。


女性活躍推進について

今、地方での女性活躍を進めるため、企業間で連携を深める動きが広がっているそうです。

「年上の男性部下とうまく接するには」「消極的な部下の意欲を引き出したい」「若い部下の教育など、同じ管理職と相談したいときもあるがなかなか機会がない。」など、地方では、都市部と比べると手本となるロールモデルが少なく、また、地方ならではの課題に対して企業同士が協力して取り組むことを狙いに、セミナーや人材バンクなどの取り組みが行われております。

たとえば、結婚や配偶者の転勤などの事情により、退職せざるを得ない女性社員を、従来の勤務先を経由して、転居先の他の企業(この例では地銀のこと)を紹介してもらえるという仕組みがあるそうです。

また、地方で働く女性を支援するため、NPO法人「男女共同参画フォーラムしずおか」さんでは、働く女性の相談相手となる「メンター」をデータベース化した「Jo-Shizu(じょしず)メンターバンク」というものを設けているそうです。会社員、公務員、起業家など幅広い立場の女性をメンターとして登録しており、専用サイトに会員登録するとメンターの経歴などを見て相談相手を選ぶことができる仕組みができているそうです。「手本となる女性が身近にいない」という悩みから、そういった取り組みが始まってきたんですね。(「読売新聞」朝刊より抜粋)

人材不足の昨今、地方においては特に人材を確保することが難しくなってきております。女性特有の悩みは、女性にしかわからないと決めつけるのではなく、企業側も女性社員の様々な声を聴きつつ、このような取り組みを参考にしながら働きやすい職場を作っていくことが求められてきているのだと思います。

※メンターとは:仕事上あるいは人生における指導者、助言者のことです。企業においては、新入社員などの精神的なサポートをするために先任者を設けることがあります。キャリア形成をはじめ生活上の様々な悩み相談を受けながら、育成にあたります。(メンターの指導を受ける人のことをメンティーといいます。)


「フリーランス」を独禁法で保護へ

◆悪質なケースでは摘発も

企業などから個人で直接仕事を請け負って働く「フリーランス」とよばれる人たちが、契約で不当な制限を受けた場合、独占禁止法(独禁法)で保護されることになりました。フリーランスが増えていることを受け、実態調査を行ってきた公正取引委員会(公取委)の有識者会議が見解をまとめ、明らかになったものです。
どういったケースが違反にあたるかを2月中にも公表し、各業界に自主的な改善を促す方針ですが、悪質なケースが見つかれば摘発も検討しているようです。

◆労働法と独禁法のはざま

企業と雇用契約を結ばずにフリーランスとして働く人は、現在1000 万人以上いるとされています。システムエンジニアやプログラマーといった職種のほか、プロスポーツ選手や芸能人も含まれ、近年はインターネットを通じて不特定多数の個人に仕事を発注する企業も増えているようです。
ただ、こうした働き方では、企業側から不当な要求があっても受け入れざるを得ない事態が発生した場合に労働基準法などの保護対象となるのか、事業者の適切な取引環境を守る独禁法の保護対象となるのかが非常にあいまいでグレーゾーンになっていました。

◆不当な報酬や移籍制限、囲い込みなどを規制

公取委は、昨年からフリーランスの労働環境の実態調査をすすめ、有識者による検討会を重ねてきました。今回まとめた見解では、企業側からフリーランスになされる不当な要求は独禁法の対象となりうると認定。「企業側が報酬や仕事内容などの約束を守らない」「補償費も払わずに他社と仕事をさせない」等を求めた場合は独禁法が禁じる「優越的地位の乱用」などにあたるおそれがあるとしました。
また、プロスポーツ選手の不当な移籍制限や、芸能事務所による芸能人の囲い込みなども独禁法違反にあたるおそれがあるとしています。

◆クラウドソーシングの急増に対応

公取委が、フリーランスへの不当な要求を独禁法の対象と認めるのは、「雇用関係ではない働き方」を守る必要性が高まっているとの判断からです。仕事の発注側がウェブサイトなどで仕事をしたい人を募集するクラウドソーシングの出現は、こうした働き方を広げる一方、報酬の支払いが遅れたり、仕事内容が一方的に変更されたりするトラブルの急増にもつながっているのです。
公取委の方針にはこうした現状を是正するねらいがあり、見解をまとめることにより、フリーランスの労働環境を向上させ、人材活用の活性化で経済発展につながることが期待されています。