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無期転換対応はお済みですか?

2013年4月1日に、労働契約法が改正施行され来年で5年が経ちます。

たとえば、今までパートタイマー等の期間雇用で、2013年4月1日から1年更新で労働契約を更新し続けて、2018年4月1日に契約更新を行った場合は、従業員から請求があった場合に無期雇用に転換しなくてはいけなくなり、実際に2019年4月1日からは無期雇用の従業員としなければなりません。

基本的に、労働条件等は従前と同じですが、たとえば、就業規則に「無期パートタイマー等」などと明確に区分されていなくて、労働条件通知書(契約書)等の文書の書面提示や説明もなく、正規の労働者と同じような働き方で働かせていたような場合は、給与、賞与や定年などの労働条件を正規の労働者と同じ条件で働かせなければなりません。

ただ、だからといって、2018年4月1日の契約で「契約更新をしない」とすると、労働契約法19条による不合理な雇止めにあたり無効とされるリスクがあります。つまり、2018年4月1日の労働契約を更新し、2019年4月1日から同法18条の無期労働契約へ転換をしなければならなくなるということになります。

ですので、現時点での対応としては、雇止めは得策ではなく、現実的には就業規則、労働条件通知書(契約書)等の整備をしていくことが肝要だと思われます。そういったサポートもしておりますので、是非、ご活用ください。


年俸制を採用している場合の割増賃金等

年俸制だと、残業代が出ないという都市伝説が独歩している、昨今。

以下の通り、最高裁が初判断を示しました。

<割増賃金を基本給に含める方法で支払う場合(固定残業代等)>

①基本給にあらかじめ割増賃金を含めることにより、割増賃金を支払うという方法が直ちに労基法37条並びに政省令の関係規定(以下、労基法37条等)に違反するものではない。

②割増賃金を支払ったとすることができるか否かは、通常の労働時間の賃金にあたる部分と割増賃金にあたる部分とを判別することができることが必要である。さらに、この割増賃金にあたる部分の金額が、労基法第37条等に定められた方法により算定した割増賃金の額を下回るときは、その差額を支払う義務を負う。

<賞与の定めについて>

また、年俸の中に賞与を含める場合、例えば、年俸を16等分し、16分の1を月例賃金として支給し、夏と冬に16分の2ずつを賞与として支給する方法等です。通常の月給制の場合、賞与は、評価期間中の企業の業績や本人の成績の査定に基づき、賞与の額を決定し支給するため、「1ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金」に当たり、割増賃金の基礎となる賃金には参入されません。しかし、前段の年俸の場合、割増賃金の基礎に賞与の額も入れなければならないということになりますので、注意が必要です。

したがって、これまでの判例を踏襲するような形の扱いとなりますので、結論的には、年俸制であっても割増賃金は支払わなければなりません。プロ野球選手やサッカー選手等の年俸制はまた違うのですが、労働者として働かせる場合の年俸制では、基本、そういう扱いになっておりますので、重々ご注意ください。


業務委託?労働者?

ネットで気になる記事を確認したのですが、「〇〇〇〇レディ」って業務委託契約なのでしょうか?ちょっと、気になってみたので掘り下げてみました。

お悩み相談を見ていくと、バイクで仕事中、交通事故に遭ってケガをしてしまった。相手側が悪いのに、相手側への保障は出るが、本人には出ないと言われた。泣き寝入りをしたくないが、何か方法はありませんか?という質問に対して、労災で補償されますという回答があったものの、本人からの返信があり業務委託契約なので労災は出ないというやりとりでした。

果たして、そうなのでしょうか?

〇〇〇〇レディ募集サイトを見てみると、一例ですが、働き方が出ておりまして、朝9時には朝礼があるんですね。朝礼までに制服に着替えたり色々準備をしなければなりません。住宅担当は週1回訪問が基本、オフィス担当は毎日訪問で1日35~40軒(ノルマがあります)。お届けが終わったらそのまま帰宅じゃなくて、センター内で仕事があって、15時で退勤した後に制服から私服に着替えるということを事細かに書いておりました。

実態を見る限り、明らかに労働者です。ただ、これを会社に直接言ったところで会社はNoと言うでしょう。役所に駆け込んだところで、役所も業務委託契約なので労働者ではありませんと言われてしまえばそれまで。最終的には裁判ということになるでしょうが、そこまでするだけの利益があるかどうか、弁護士費用や裁判費用を払ってまで…ということにもなります。

しかしながら、労災が下りないというのは、非常に、大変なことです。軽微なケガであれば、国民健康保険で3割負担でできますが、場合によっては常時寝たきりで介護が必要になって働けなくなったり、亡くなることもあったりしますので、そこをカバーしてくれる保険って、あとは、介護保険、障害年金や遺族年金くらいしかありません。額も労災の同じ年金型の給付より低いですし、まず、国民健康保険だと休業補償が付きませんので長期の療養だと、他に保険会社等の生命保険に入っていたとしても厳しいですよね。

自動二輪車や原動機付二輪車を使う仕事というのは、生身ですので交通事故に遭って死亡する可能性が非常に高いです。もし、仮にそうなったときに、会社は「それは業務委託だから、自己責任で、本人もそれをわかって契約している」と言い張れるのでしょうか?非常に綱渡りな経営をされているなと思います。


高年齢者の窓口負担について まとめ②

高額療養費に関して

医療機関、薬局での窓口負担については、まとめ①でご説明した通り、1割、2割、3割となっておりますが、月で一定額を超えると負担はそこまでという仕組みがあります。

それが、高額療養費という仕組みです。70歳未満の方については、手術が伴うものや高額の薬を処方されているということでもない限り、使う機会はないかもしれません。(一旦3割を窓口負担してから後でもらうやり方と、窓口で高額療養費の限度額までの負担で済むやり方があります。)

しかし、70歳以上となると、外来療養のみでも月12,000円が上限になりますので、すぐに上限に達してしまいます。だから、医療機関や薬局の窓口では、保険証で生年月日を確認するということが非常に重要な役割になってくるのです。


また、医療費を払いながら、同時に、介護サービスも利用しているという方は、以下の高額介護合算療養費が上限となります。

 


高年齢者の窓口負担について まとめ①

70歳以上で、社会保険(厚生年金保険・健康保険)の適用事業所で働く方が増えてきました。主に法人の事業主の方が多いのでしょうが、薬局(医療機関)の受付で、たまに、会社の健康保険証と高齢受給者証を持って来られる方がいらっしゃいます。高齢者医療は複雑怪奇ですので、ババッとまとめてみました。

※この他にも、特定疾患、特定疾病、精神、乳幼児、生保など窓口負担が異なる取扱いがあります。

◆厚生年金保険は原則70歳まで

厚生年金保険は、原則70歳までとなります。(70歳以上は、老齢年金の受給権がない場合のみ任意加入ができます。)

◆健康保険は75歳まで

健康保険は、適用事業所で働いていれば、75歳まで加入できます。

しかし、70歳を節目に、医療機関での窓口負担の割合が変わります。

① 原則2割

② 昭和19年4月1日以前生まれの方は1割

③ 標準報酬月額28万円以上、かつ、世帯収入520万円(単身者は383万円)以上の方は3割

※国民健康保険の場合は、③の標準報酬月額28万円以上の要件はなし。

◆75歳以上は、後期高齢者医療制度へ

後期高齢者医療制度は、原則75歳以上の方が対象

例外として、65歳以上75歳未満の方で、「政令で定める障害の状態にある旨の広域連合の認定を受けたもの」も後期高齢者医療制度の対象になります。

窓口負担は原則1割

世帯収入520万円(単身者は383万円)以上の方は3割


従業員が「iDeCo」に加入する際に事業主が行わなければならない事務手続とは?

◆改正を契機に加入者数が増加

今年1月からの改正確定拠出年金法の施行により、個人型確定拠出年金(通称:iDeCo)は、
基本的に20歳以上60歳未満のすべての方が任意で加入できるようになりました。
この改正により、今年に入ってから加入者が大幅に増加しており、平成29年6月時点におけ
る加入者数は54 万9943 人(前年同期比203.8%)となっています。

◆iDeCo の仕組み

iDeCo は、公的年金に上乗せして給付を受ける私的年金の一つであり、加入者の老後の所得確
保の一助となる制度です。
加入者が自ら定めた掛金額を拠出・運用し、原則60歳以降に、掛金とその運用益の合計額を
もとに給付額が決定し、給付を受ける仕組みとなっています。

◆事業主が行わなければならない事務手続は?

企業で働く従業員がiDeCo に加入する際、事業主が行わなければならない事務手続が発生しま
すが、そのポイントは以下(1)~(5)の通りです。
厚生労働省では、従業員がiDeCo への加入を希望した場合に速やかに加入できるよう、事業主
への協力を呼びかけています。
(1) 事業所登録
加入者となる従業員(第二号被保険者)を使用する事業所は、国民年金基金連合会(国基
連)に事業所登録を行います。
(2) 事業主証明書の記入
加入を希望する従業員から提出される事業主証明書に必要事項を記入します。
(3) 事業主証明(年一回)
年に一回、国基連が加入申出時に得た情報をもとに、加入者の勤務先に資格の有無の確認
を行いますが、その際に事業主の証明が必要となります。
(4) 事業主払込の場合の掛金納付
加入者が事業主払込を希望する場合、事業主から国基連に掛金を納付します。
(5) 年末調整
所得控除があるため、加入者が個人払込を選択した場合は年末調整を行います。


解りづらい 育児・介護休業法(改正 10月1日~)

来月1日から、育児・介護休業法が変わりますが、非常に解りづらい法律なので、もし、取られる方がいらっしゃる場合は、会社の人事担当の方に聞かれた方がいいのかなと思います。

1.原則1歳まで (本人のみの場合)

2.1歳2ヵ月まで (パパ・ママ育休プラスの場合)

3.1歳6ヵ月まで (保育所に入所できない場合)

4.2歳まで (3の1歳6ヵ月まで延長した場合で、更に保育所に入所できない場合)

ここで、問題になるのが、2のパパ・ママ育休プラスの場合です。

※パパ・ママ育休プラスの図解リーフレットはこちら

※法改正の全般的な説明はこちら

例えば、

①妻が育休を1歳(原則)まで取っていて、交代で夫が1歳2ヵ月まで取ったが、保育所が見つからなくて、1歳6ヵ月まで延長の申出をした時点。

妻に育児休業を交代することができるか?・・・できます

②①の場合で、夫がそのまま1歳6ヵ月まで延長した後、1歳6ヵ月になったけれども保育所に入所できないので、更に2歳まで延長を申し出た時点。

妻に育児休業を交代することができるか?・・・できません

複雑怪奇ですねぇ。説明する側が、まず、「わからない!」ということに陥る可能性が高いです。全く運用面を考慮しない改正だなぁと思うのは私だけでしょうか?