◆未加入の事業所の6割が「保険料の負担が困難」

厚生労働省は、3月末に「社会保険nのかにゅ状況にかかる実態調査」の結果を公表しました。この調査は社会保険の未加入が疑われる約63万事業所を対象に実施し、「未加入」と回答した事業所は13万5490事業所でした。そのうち、加入手続を行っていない事業所は6万4446事業所でした。

未加入の理由として、約6割の事業所が「保険料の負担が困難」であることを挙げています。なお、未加入被保険者が多い業種は「不動産業」11.3%、「建設業」8.5%、「料理・飲食店業」6.9%、「飲食料品小売業」6.5%でした。

◆厚生労働省による加入促進の対策は?

厚生労働省は調査結果を踏まえ、この4月から社会保険の加入促進をより一層強化することを明らかにしています。

具体的な対策として、「飲食業」「理容・美容業」「社会福祉事業」が新規事業所の許可申請を行う際に、社会保険の加入状況を確認することになります。従来から「建設業」や「運送業」が国土交通省に許可申請の際に加入状況の確認を行っていますが、新たに対象業種が追加となります。

加入が確認できなかった場合には、日本年金機構や各都道府県の労働局へ通報し、加入勧奨を行います。

この取り組みは今年7月から実施が予定され、今後は厚生労働省の所管以外の業種にも要請するとしています。

また、既存の事業所への対策として、加入すべき被保険者数が5人以上の事業所から優先的に加入指導を行い、意図的に届出を行わない事業所には立入り検査を実施します。

◆今後はより効率的に

近年の社会保険の加入促進の取組みとして、平成27年度からは、国税庁の情報提供を受けたことにより、従業員の給与を支払っている事業所の把握が可能となりましたが、そのデータを加入指導に活用したことにより、加入につなげることができているようです。今後はより効率的に事業者調査を実施し、加入指導を行うとしています。

 

ということで、今後、社会保険の加入に関しては、業種問わず厳しい動きになってくることが予想されます。確かに、社会保険料は高くて払えないという実情は山々なのですが、年金機構はそこまで融通が利きませんので、放置しておくと過去に遡って請求され、1払えばよかったものを2倍以上払わなければならない可能性もあるため、早めの対応をご検討くださいませ。

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