真宗大谷派の東本願寺(京都市下京区)が、研修施設で働く男性僧侶2人に、残業代を支給していなかったことが先月26日わかった。「時間外割増賃金は支給しない」との違法な文言を含む覚書を、労働者代表と交わしていたという。2人が外部の労働組合に加入し労使交渉を行い、同派は2013年11月~今年3月の不払い分として、計約660万円を支払った。

労働組合「きょうとユニオン」によると、2人は全国から訪れる門徒の世話をする「補導」を務めていた。業務が多い日には午前8時半から泊りがけで、翌日午後まで連続32時間以上働くこともあった。覚書が締結されたのは1973年11月で、40年以上残業代不払いの状態が続いていた。

東本願寺によると、昨年1月から「内払い金」という名目で、固定残業代を支払っているという。真宗大谷派の下野真人事総務部長は「信仰と業務の線引きは難しいが、今後は勤務時間の把握と管理を徹底する」と話した。

(時事通信)

 

そもそも、僧侶は労働者なのでしょうか?

「使用者に指揮監督されているかどうかを重要な判断要素としたうえで、他の総合的な考慮を含めて判断される。」としておりますので、全てが労働者とはならないのですが、少なくともこのケースでは、「宗教法人の指揮監督下で、業務(門徒の世話をする「補導」)として働いており、かつ、その業務に対し給与を支払われていた。」ので、労働者と判断されたということになります。

「内払い金」についても、固定残業代ということですが、たとえば、「月20時間残業分を固定で支払い、20時間を超えた時間については別途計算して支給する」としているのであれば、固定残業代でもいいのですが、びた一文払わないとしているところが問題なのかなと思われます。

小さいお寺で人を雇うということは、なかなかないでしょうから、レアケースだとは思いますが、労務管理の重要性はこんなところにも広がりを見せております。

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