来年2018年1月から
・配偶者の年収上限「103万円以下」から「150万円以下」に引き上げ(配偶者控除)
・納税者の年収が1,220万円以下、かつ、配偶者の年収が150万円を超え201万円以下であれば一定の控除が受けられる。(現行の配偶者特別控除は、「納税者の年収1,000万円以下」、「配偶者の年収が103万円を超え141万円未満」の場合に控除が受けられるとなっている)
平成27年10月より始まった、社会保険適用拡大(被保険者数が500人超の企業)により、新たに「106万円の壁」という配偶者の就業制限が話題となりました。
これにより、
①社会保険の被扶養要件・・・年収130万円未満 (60歳以上・障害者の場合は、年収180万円未満)
②税金の被扶養要件・・・年収103万円以下(特別配偶者控除は141万円未満)
に加え、
③短時間労働者の社会保険加入要件・・・年収106万円以上(他4要件を満たす場合のみ)
となり、扶養から外れるリスクから、契約時間を短くする、あるいは、逆に契約時間を長くして扶養は外れるけど、減額分をカバーできるだけの収入を得られるようにするなどの施策が試みられてきました。
今回の改正は、この契約時間を長くした分、税制面で損をするということにならないようにという趣旨から行われたものだとは理解することはできます。
しかし、ここで注意しなければならないことがございまして、将来の年金額が減るリスクがあることもアナウンスしておかなければなりません。
厚生年金の加入期間が20年以上あって、(定額部分または基礎年金の支給開始日以降に)65歳未満の配偶者がいる場合に支給される加給年金というものがございます。額は、特別加算を含めると年額390,100円(月額32,508円)です。
これが、もし、今回の社会保険適用拡大で、妻(配偶者)が厚生年金(あるいは共済年金)に通算して20年以上加入することになった場合は、出なくなります。
もちろん、それを上回る金額を稼げればいいとは思いますが、例えば、時給1,000円で月120時間の条件で、20年間変わらず働いたとすると報酬比例の年額は約16万円(月額1万3千円)ほどです。(基礎年金は受給資格期間を満たしていれば、保険料の支払済期間に応じて別途出ます。)
もし、これが19年何か月かで辞めておけば、65歳までの間、それプラス39万円もらえたかもしれなかったと考えると、結構考えると思います。
そのとき(年金を受給されるとき)になってからでは遅いですので、今、ご自分がどれだけの期間、厚生年金あるいは共済年金に加入しているか、今一度ご確認されることをおすすめいたします。