雇用調整助成金とは、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練又は出向を行い、労働者の雇用の維持を図った場合に、休業手当、賃金等の一部を助成するものです。
 今回、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえて、この助成金の特例が追加されました。

■ 特例の対象となる事業主

新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主

■ 特例措置の内容

① 休業等の初日が、令和2年1月24日から令和2年7月23日にあること
② 新規学卒採用者など、雇用保険被保険者として継続雇用6ヵ月未満でも助成対象とする
③ 過去に雇用調整助成金を受給したことがある事業主で、前回の支給対象期間満了日から1年を経過していない場合でも受給可能とし、受給日数は今回の特例の対象となった休業等の支給限度日数から過去に受給した日数を差し引かないで支給ものとする
④ 休業等計画届の事後提出は、令和2年5月31日まで可能
⑤ 生産指標の確認期間を3ヵ月から1ヵ月に短縮
⑥ 事業所設置後1年未満の事業主も助成対象とする
⑦ 最近3ヵ月の雇用量が対前年比で増加していても助成対象とする

■ 新型コロナウイルス感染症の影響に伴う「経済上の理由」とは

 以下のような経営環境の悪化については経済上の理由にあたり、それによって事業活動が縮小して休業等を行った場合は助成対象となります。(下記は理由例のため、該当するか否かは個別判断となります。)
① 取引先が新型コロナウイルス感染症の影響を受けて事業活動を縮小した結果、受注量が減ったために事業活動が縮小してしまった場合
② 労働者が感染症を発症し、自主的に事業所を閉鎖したことにより、事業活動が縮小した場合
③ 労働者が感染症を発症していないが、行政の要請を受けて事業所を閉鎖し、事業活動が縮小した場合
④ 小学校の休校により、大半の労働者が長期的に休暇を取得することにより、生産体制の維持等が困難になり営業を中止した場合

■ 助成内容と受給できる金額

・休業を実施した場合の休業手当、教育訓練を実施した場合の賃金相当額、又は、出向を行った場合の出向元事業主の負担額の3分の2(大企業は2分の1) ※対象労働者1人8,330円が上限
・教育訓練を実施した際の加算額…1人1日あたり1,200円
・支給限度日数…1年間で100日

■ 受給手続き

① 計画届を提出(判定基礎期間(※賃金締日と同じ)ごとに提出が必要)
※初回提出は雇用調整開始前2週間、2回目以降は雇用調整開始前日までに提出(最大で3判定基礎期間分の手続を同時に行えます。)
② 事後提出の場合は1度にまとめて計画届・支給申請書を提出(ただし、令和2年5月31日まで)
③ ①の場合の支給申請期間は、判定基礎期間終了後2ヵ月以内です。

■ 初回の計画時に必要な書類(休業の場合)

① 休業等実施計画届…休業予定日、規模等を記載
② 事業活動の状況に関する申出書(新型コロナウイルス感染症関係用)…事業縮小の状況を記載
③ 【添付】労使協定書…労使協定書、労働者代表確認書類
④ 【添付】事業所の状況に関する書類…生産指標のわかる書類(損益計算書等)、所定労働日、時間や賃金制度等の分かる書類(賃金台帳、出勤簿、就業規則)等

<労使協定で最低限定める事項(休業の場合)>
① 休業の実施予定期間・日数
② 休業の時間数
③ 対象となる労働者の範囲及び人数
④ 休業手当額の算定基準
※教育訓練、出向の場合は労働局にご確認ください。

■ その他の主な支給要件

・雇用保険適用事業所の事業主であること
・支給のための審査に協力すること
 ① 審査に必要な書類等を整備・保管していること
 ② 審査に必要な書類等の提出を、管轄労働局等から求められた場合に応じること
 ③ 管轄労働局等の実地調査を受け入れること等
・労使間の協定により休業をおこなうこと
・休業手当の支払いが労働基準法第26条の規定に違反していないものであること
・判定基礎期間における対象労働者に係る休業等の実施日の延日数が、対象労働者に係る所定労働延日数の20分の1(大企業の場合は15分の1)以上となるものであること
※その他、助成金共通の受給要件があります。