◆「人手不足倒産」とは
帝国データバンクが実施した、全国約1万社の回答を集計した2018 年9月の調査によると、
正社員が不足していると回答した企業は全体の51.7%を占め、1年前の同調査(48.2%)に比べ
増加しています。帝国データバンクでは、従業員の離職や採用難等により収益が悪化したことな
どを要因とする倒産(個人事業主含む、負債1,000 万円以上、法的整理)を「人手不足倒産」と
定義し、過去5年半で発生した人手不足倒産を集計・分析しています。
今回は、2018 年度上半期(2018 年4~9月)の結果をもとにまとめます。

◆倒産件数・負債総額
2018 年度上半期の人手不足倒産件数は76 件で、前年同期(54 件)より40.7%増えており、2
年連続で過去最多を更新しています。一方、負債総額は110 億4200 万円で、前年同期(191 億
2900 万円)より42.3%減少しています。
過去5年半の累計でみると、倒産件数447 件、負債額946 億9500 万円にのぼります。

◆負債規模別
負債規模別の件数をみると、「1億円未満」が45 件で前年同期(22 件)に比べ2倍に増えてい
て、5年半累計でも227 件(構成比50.8%)と小規模倒産が過半を占めていることがわかります。
「1~5億円未満」が上半期27 件、5年半累計で179 件(構成比40%)と、5億円未満の倒産
が全体の90%以上を占めています。

◆業種別件数
2018 年度上半期で最も件数が多かったのは「サービス業」で26 件、次に建設業(19 件)、運
輸・通信業(17 件)と続きます。さらに業種細分類別の過去5年半の累計件数をみると、「道路
貨物運送」38 件、「老人福祉事業」27 件、「木造建築工事」26 件、「労働者派遣」21 件、「建築工
事」19 件、「受託開発ソフトウエア」18 件、「土木工事」15 件となっています。

◆都道府県別
都道府県別の5年半累計をみてみると、「東京都」の62 件が突出して多く、次に「福岡県」34
件、「大阪府」32 件、「北海道」と「静岡県」が並んで25 件、「愛知県」24 件となっています。
10 月から最低賃金が全国平均で26 円引き上げられ、運送費や原材料価格が高騰するなど企業
を取り巻く環境が厳しさを増す中、「人手不足倒産」もさらに増加することが懸念されます。