「健康保険法及び厚生年金保険法における 賞与に係る報酬の取扱いについて」の一部改正

◆平成27年改正による「賞与に係る報酬」

厚生労働省の通知「健康保険法及び厚生年金保険法における賞与に係る報酬の取扱いについて」の中で、報酬と賞与の取扱いが定められています。
年間を通じて支払い回数が3回までのものは「賞与」、4回以上のものは「報酬」とされています。それぞれ「標準賞与額」、「標準報酬月額」として、保険料算定の際の基礎にされます。
しかし、事業者の中には、保険料を安くするために、特殊な賞与の支払い方をする例がありました。例えば、賞与を12回に分割するなどして保険料を安くするものでした。
これを防ぐため、平成27年改正により、1年間を通じ4回以上支払われる賞与は「通常の報酬」ではなく「賞与に係る報酬」として、1年間の支払い合計額の12分の1を報酬額とすることとされました。

◆今般の改正による「通常の報酬」、「賞与に係る報酬」、「賞与」の明確化

平成30年7月30日に出された通知によると、上記の通知に下記の2点(①・②)が加わりました。
① 通知にいう「通常の報酬」、「賞与に係る報酬」及び「賞与」は、名称の如何にかかわらず、二つ以上の異なる性質を有するものであることが諸規定又は賃金台帳等から明らかな場合には、同一の性質を有すると認められるものごとに判別するものであること。
② 通知にいう「賞与」について、7月2日以降新たにその支給が諸規定に定められた場合には、年間を通じ4回以上の支給につき客観的に定められているときであっても、次期標準報酬月額の定時決定(7月、8月又は9月の随時改定を含む。)による標準報酬月額が適用されるまでの間は、賞与に係る報酬に該当しないものとすること。
厚生労働省の示すQ&Aによると、本通知の趣旨は、従前の通知に示す取扱いをより明確化し徹底を図ることです。
具体的には、
①については、諸手当等の名称の如何に関わらず、諸規定又は賃金台帳等から、同一の性質を有すると認められるもの毎に判別するものであること
②については、諸手当等を新設した場合のような支給実績のないときに、翌7月1日までの間は「賞与」として取り扱うものであることとされています。
本通知は、周知期間を確保するため、発出から半年の周知期間を設けていますが、本通知の適用日以降に受け付けた届書から本通知による取扱いを適用することとされており、適用日前に受け付けた届書の内容を見直すことは要しないとされています。

※解りづらいので、ざっくり申し上げますと「年4回以上に分けて賞与を支払う場合でも、年間の賞与額を足して高い方の保険料を計算した上で納めるようにしなければならないことがあります。」ということです。


労働保険の年度更新、社会保険の算定基礎届は社労士にお任せください。

この時期、社労士業務は繁忙期を迎えます。
と申しますのも、毎年6月1日~7月10日までに、労働保険(労災・雇用)の保険料を計算して納めなければならないからです。
また、社会保険(健保・厚年)は、毎年9月~翌年8月までの社会保険料の算定の基礎となる額を決定するための届出(算定基礎届)を、労働保険と同じく7月10日までに届出なければなりません。

よく、4月・5月・6月に残業すると、保険料が上がって手取り額が少なくなるというのは、これが影響してきております。
私の前職では、ちょうどその時期に店がオープンして繁忙期だったため、9月(翌月徴収の会社は10月)の給与から保険料がグンと上がって、手取りが減ったと大騒ぎしていたことも記憶に新しいことです。

その前に…7月に賞与がある会社さんですと、6月に頑張ってしまうと、翌月の所得税が上がってしまうので、7月の賞与から税金が無駄に引かれるという罠があったりします。
最終的に年末調整で還ってくることにはなりますが、夏のボーナスが出たから余暇が楽しめるのであって、年末に戻ってきても冬のボーナスの方が多いので嬉しくないですよね。

社会保険料は税金のように、戻ってくるということはありません。
将来の年金額が増えるというメリットはありますが、今の手取り額を維持したいというのであれば、なるべく4月・5月・6月は残業はしない方がいいでしょう。
とはいえ、残業は自分でコントロールできることとできないことがあります。自分でできることは今すぐ実践、できないことは会社の取り組み課題として全社で行っていくということが、保険料を抑える上では必要になってきます。
ただ、常態として4月・5月・6月が忙しいという会社さんですと、繁忙月は除外して算定することも例外的にできます。
ですが、これは例外中の例外のため、本当にその要件に当てはまる会社さんでないとできないということは申し上げておきます。

みなさんの会社では、もう年度更新、算定基礎届はお済ですか?
お済でない会社さまでも、まだ間に合います。来週、再来週までにご依頼ですと何とかなります。
ご自分で作成されて、お役所に持参する方が多いと思いますが、実は保険の罠として、誰が被保険者になるのか?給与の中のどの金額が算定の基礎になるのか?ということまでは考えずに出されると、結果的に保険料が高くなってしまうことがあります。
逆に少なくなってしまってもいけません。そういったことを考えると、一度限りであったとしても社労士に任せた方が安心です。
また、給与計算まで任せていただけると年度更新、算定基礎届は書類のやり取りがなくなり、そこに時間を割かずに営業活動に注力することができます。
是非、お試しください。