2種類ある助成金

厚生労働省関係の助成金は、1つの事業所で1回だけ申請できる「制度導入型」と呼ばれるものと、(支給要件を満たす限り)毎年(5年間)もらい続けることができるものがあります。

助成金というと、社内制度を改めた際に一度もらったらそれでおしまいというイメージがあると思います。

しかし、助成金によっては、要件に該当すれば毎年もらえる助成金もあります。

たとえば、雇入れに関する助成金で「特定求職者雇用開発助成金」や「トライアル雇用助成金」といったものです。これらは、要件に該当すれば申請回数に限度はありません。

処遇改善に関する助成金の「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」や「65歳超雇用推進助成金(高年齢者無期雇用転換コース)」のように、制度導入の助成金であっても、1年度1事業所当たり、キャリアアップ助成金は15人、65歳超雇用推進助成金は10人までを限度に計画期間の5年間は申請できます。

また、教育関係では、非正規社員向けの「キャリアアップ助成金(人材育成コース)」や正社員向けの「人材開発支援助成金(特定訓練コース)」があり、1事業所1年度当たり1,000万円を限度に、キャリアアップ助成金は計画期間の5年間(延長あり)、人材開発支援助成金は要件に該当すれば何度でも申請できます。

なお、都道府県によっては、上乗せの助成金もありますので、そちらも合わせて活用されると助成額がアップします。

たとえば、東京都であれば、前述のキャリアアップ助成金(正社員化コース)の支給決定を受けると、上乗せで「東京都正規雇用転換促進助成金」が受けられるというものもございますので、キャリアアップ助成金は非常に手厚いものとなっております。

ただし、キャリアアップ助成金が一番分かりやすいと思いますが、非正規社員を正社員に引き上げるということは、自ずと人件費が増えるということに他なりません。それを見越した上で、将来的にどれだけの収益目標を達成することができるかということも考えた上で取り組まなければ、事業の繁栄はありません。

もし、取り組みたい助成金がございましたら、ご相談下さい。受給できるかどうかなど具体的なことにつきましては、直接お会いしてお聞きいたします。

助成金はこちらをご参照ください↓

http://sennoha4864.com/category17/


泣く子も黙る労基署の調査

今週、知り合いの方から相談をいただいたのですが、「社会保険の調査依頼がきたんだけど、これってどうなんですか?」という問いがありました。

「どうなんですか?」というのは、「問題があったから呼び出しを食らったのではないか?」という疑問があったので、それについて聞きたかったということなんだろうなと思いましたので、「年金事務所が定期的にやっている調査なので、きちんと届出等をして、社会保険に加入させるべき人を加入させていれば問題はないです。」と申し上げ、電話を切りました。

ところが、私が電話をしている隣で、先輩社労士が受けていた件は、労基署からの調査の依頼が来たというものでした。これまた、理由がわからないということで、理由を詳しく伺ったところ、どうやら長時間労働の調査ということで来たようでございます。

これは大変。というか、もう、この段階でできることは限られてしまいますので、ジタバタしないで誠実に対応をしましょう。まず、問題はどのレベルかというとレッドに近いイエローカードです。間違いなく是正勧告は受けますので、そこでどうやって今の状況を改善するのか改善案を提出し、実行し、長時間労働が減りましたという結果まで見ないといけません。何も対策しなかった等、悪質な場合は、最悪、書類送検ということにもなりかねません。

社会保険の調査は、もし、万一、未加入があった場合は、前2年分を遡及して支払うという事が発生し、場合によっては凄い額になることもありますが、最近は社会保険の未加入は取り締まりが厳しくなってきてますので、意識されている事業所様は多いかと思います。

しかし、労働基準監督署はもっと大変で、賃金だけでなく、労働時間、働き方や労働安全衛生まで突っ込んで取り組まないと、最悪、刑事罰が科されることになりますので、くれぐれもご注意ください。


11月1日~ 技能実習法が施行されます。

2016年11月28日に公布された、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律が今月1日施行されました。

〇技能実習制度は、国際貢献のため、開発途上国等の外国人を日本で一定期間(最長3年5年)に限り受け入れ、OJTを通じて技能を移転する制度です。(平成5年に制度創設。)

〇技能実習生は、入国直後の講習機関以外は、雇用関係の下、労働関係法令等が適用されており、現在全国に約23万人在留しています。

対象職種は、現在74職種133作業77職種137作業あり、介護職種が新たに加わることとなりました。

これまでの制度では、技能実習制度の受入れ機関によって【企業単独型】と【団体監理型】があり、要件さえ満たせば受け入れることが可能でしたが、事前に(団体)実習計画を作成し、外国人技能実習機構(新設)による認定(団体の場合は許可)を受ける必要があります。

また、これまでの制度では、3年間の実習課程で、技能検定3級相当の資格取得を目標とするものでしたが、5年に延長(目標も技能検定2級に格上げ)され、3年経過したのちに一旦帰国(1か月以上)し、在留資格の変更又は取得をしたのち、一定の要件に該当する(技能検定3級は必須)人達を受け入れることができるというものになります。


平成29年版「過労死白書」が公表。労働時間やストレスの実態は?

◆過労死等防止対策推進法第6条に基づく年次報告

厚生労働省は、10月上旬に平成29年版の「過労死等防止対策白書」(いわゆる過労死白書)を公表しました。この過労死白書は、過労死等防止対策推進法第6条に基づく年次報告書であり、今回が2回目となります。平成28年度の過労死に関するデータのほか、民間企業で働く2万人に労働時間やストレスについて聞いた平成27年度のアンケート結果を分析しており、電通の違法残業事件や、それを受けた政府の緊急対策も紹介されています。

◆労働時間の把握による残業時間減が明確に

上記アンケートの分析では、フルタイムの正社員(7,242人)では、労働時間が「正確に把握されていない」人にくらべ、「正確に把握されている」人は週あたりの残業時間が約6時間短く、「おおむね正確に把握されている」人で約5時間、「あまり正確に把握されていない」人でも約2時間短いことがわかりました。

◆過労死等の業種別の傾向は?

平成28年度に過労死や過労自殺(未遂を含む)で労災認定された人は前年度より2人多い191人で、近年は年間200件前後で推移して高止まりが続いています。業種別では、運輸・郵便業41人、製造業35人、建設業23人の順に多く、運輸・郵便業では約2割が残業を週20時間以上しており、他業種より際立って多いことがわかりました。一方、過去5年の過労自殺事例を年代別にみると、従業員100万任当たりの自殺者数は男性が40代の3.0人で最も多く、次は50代の2.8人、女性は10~20代が0.4人、30代が0.2人の順でした。

◆自営業者の長時間労働も明らかに

白書では、自営業者の長時間労働の実態も調査・報告しており、昨年、週60時間以上働いた自営業者の割合は13.6%で、全労働者の平均(7.7%)を大きく上回りました。週60時間以上働いた自営業者のうち、80時間以上働いていたのは1.5%。労働時間や日数の把握方法については、全体の73.4%が「特に把握していない」と答えています。厚生労働省ではこれらの調査結果をもとに、労働時間の適正な把握を促して長時間労働の是正を図るとともに、事業主に対する監督指導の徹底、労働者に対する相談窓口などの充実などで、過労死等ゼロに向けた取り組みを強化するとしています。


無期転換対応はお済みですか?

2013年4月1日に、労働契約法が改正施行され来年で5年が経ちます。

たとえば、今までパートタイマー等の期間雇用で、2013年4月1日から1年更新で労働契約を更新し続けて、2018年4月1日に契約更新を行った場合は、従業員から請求があった場合に無期雇用に転換しなくてはいけなくなり、実際に2019年4月1日からは無期雇用の従業員としなければなりません。

基本的に、労働条件等は従前と同じですが、たとえば、就業規則に「無期パートタイマー等」などと明確に区分されていなくて、労働条件通知書(契約書)等の文書の書面提示や説明もなく、正規の労働者と同じような働き方で働かせていたような場合は、給与、賞与や定年などの労働条件を正規の労働者と同じ条件で働かせなければなりません。

ただ、だからといって、2018年4月1日の契約で「契約更新をしない」とすると、労働契約法19条による不合理な雇止めにあたり無効とされるリスクがあります。つまり、2018年4月1日の労働契約を更新し、2019年4月1日から同法18条の無期労働契約へ転換をしなければならなくなるということになります。

ですので、現時点での対応としては、雇止めは得策ではなく、現実的には就業規則、労働条件通知書(契約書)等の整備をしていくことが肝要だと思われます。そういったサポートもしておりますので、是非、ご活用ください。


年俸制を採用している場合の割増賃金等

年俸制だと、残業代が出ないという都市伝説が独歩している、昨今。

以下の通り、最高裁が初判断を示しました。

<割増賃金を基本給に含める方法で支払う場合(固定残業代等)>

①基本給にあらかじめ割増賃金を含めることにより、割増賃金を支払うという方法が直ちに労基法37条並びに政省令の関係規定(以下、労基法37条等)に違反するものではない。

②割増賃金を支払ったとすることができるか否かは、通常の労働時間の賃金にあたる部分と割増賃金にあたる部分とを判別することができることが必要である。さらに、この割増賃金にあたる部分の金額が、労基法第37条等に定められた方法により算定した割増賃金の額を下回るときは、その差額を支払う義務を負う。

<賞与の定めについて>

また、年俸の中に賞与を含める場合、例えば、年俸を16等分し、16分の1を月例賃金として支給し、夏と冬に16分の2ずつを賞与として支給する方法等です。通常の月給制の場合、賞与は、評価期間中の企業の業績や本人の成績の査定に基づき、賞与の額を決定し支給するため、「1ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金」に当たり、割増賃金の基礎となる賃金には参入されません。しかし、前段の年俸の場合、割増賃金の基礎に賞与の額も入れなければならないということになりますので、注意が必要です。

したがって、これまでの判例を踏襲するような形の扱いとなりますので、結論的には、年俸制であっても割増賃金は支払わなければなりません。プロ野球選手やサッカー選手等の年俸制はまた違うのですが、労働者として働かせる場合の年俸制では、基本、そういう扱いになっておりますので、重々ご注意ください。


業務委託?労働者?

ネットで気になる記事を確認したのですが、「〇〇〇〇レディ」って業務委託契約なのでしょうか?ちょっと、気になってみたので掘り下げてみました。

お悩み相談を見ていくと、バイクで仕事中、交通事故に遭ってケガをしてしまった。相手側が悪いのに、相手側への保障は出るが、本人には出ないと言われた。泣き寝入りをしたくないが、何か方法はありませんか?という質問に対して、労災で補償されますという回答があったものの、本人からの返信があり業務委託契約なので労災は出ないというやりとりでした。

果たして、そうなのでしょうか?

〇〇〇〇レディ募集サイトを見てみると、一例ですが、働き方が出ておりまして、朝9時には朝礼があるんですね。朝礼までに制服に着替えたり色々準備をしなければなりません。住宅担当は週1回訪問が基本、オフィス担当は毎日訪問で1日35~40軒(ノルマがあります)。お届けが終わったらそのまま帰宅じゃなくて、センター内で仕事があって、15時で退勤した後に制服から私服に着替えるということを事細かに書いておりました。

実態を見る限り、明らかに労働者です。ただ、これを会社に直接言ったところで会社はNoと言うでしょう。役所に駆け込んだところで、役所も業務委託契約なので労働者ではありませんと言われてしまえばそれまで。最終的には裁判ということになるでしょうが、そこまでするだけの利益があるかどうか、弁護士費用や裁判費用を払ってまで…ということにもなります。

しかしながら、労災が下りないというのは、非常に、大変なことです。軽微なケガであれば、国民健康保険で3割負担でできますが、場合によっては常時寝たきりで介護が必要になって働けなくなったり、亡くなることもあったりしますので、そこをカバーしてくれる保険って、あとは、介護保険、障害年金や遺族年金くらいしかありません。額も労災の同じ年金型の給付より低いですし、まず、国民健康保険だと休業補償が付きませんので長期の療養だと、他に保険会社等の生命保険に入っていたとしても厳しいですよね。

自動二輪車や原動機付二輪車を使う仕事というのは、生身ですので交通事故に遭って死亡する可能性が非常に高いです。もし、仮にそうなったときに、会社は「それは業務委託だから、自己責任で、本人もそれをわかって契約している」と言い張れるのでしょうか?非常に綱渡りな経営をされているなと思います。