業務委託?労働者?

ネットで気になる記事を確認したのですが、「〇〇〇〇レディ」って業務委託契約なのでしょうか?ちょっと、気になってみたので掘り下げてみました。

お悩み相談を見ていくと、バイクで仕事中、交通事故に遭ってケガをしてしまった。相手側が悪いのに、相手側への保障は出るが、本人には出ないと言われた。泣き寝入りをしたくないが、何か方法はありませんか?という質問に対して、労災で補償されますという回答があったものの、本人からの返信があり業務委託契約なので労災は出ないというやりとりでした。

果たして、そうなのでしょうか?

〇〇〇〇レディ募集サイトを見てみると、一例ですが、働き方が出ておりまして、朝9時には朝礼があるんですね。朝礼までに制服に着替えたり色々準備をしなければなりません。住宅担当は週1回訪問が基本、オフィス担当は毎日訪問で1日35~40軒(ノルマがあります)。お届けが終わったらそのまま帰宅じゃなくて、センター内で仕事があって、15時で退勤した後に制服から私服に着替えるということを事細かに書いておりました。

実態を見る限り、明らかに労働者です。ただ、これを会社に直接言ったところで会社はNoと言うでしょう。役所に駆け込んだところで、役所も業務委託契約なので労働者ではありませんと言われてしまえばそれまで。最終的には裁判ということになるでしょうが、そこまでするだけの利益があるかどうか、弁護士費用や裁判費用を払ってまで…ということにもなります。

しかしながら、労災が下りないというのは、非常に、大変なことです。軽微なケガであれば、国民健康保険で3割負担でできますが、場合によっては常時寝たきりで介護が必要になって働けなくなったり、亡くなることもあったりしますので、そこをカバーしてくれる保険って、あとは、介護保険、障害年金や遺族年金くらいしかありません。額も労災の同じ年金型の給付より低いですし、まず、国民健康保険だと休業補償が付きませんので長期の療養だと、他に保険会社等の生命保険に入っていたとしても厳しいですよね。

自動二輪車や原動機付二輪車を使う仕事というのは、生身ですので交通事故に遭って死亡する可能性が非常に高いです。もし、仮にそうなったときに、会社は「それは業務委託だから、自己責任で、本人もそれをわかって契約している」と言い張れるのでしょうか?非常に綱渡りな経営をされているなと思います。


解りづらい 育児・介護休業法(改正 10月1日~)

来月1日から、育児・介護休業法が変わりますが、非常に解りづらい法律なので、もし、取られる方がいらっしゃる場合は、会社の人事担当の方に聞かれた方がいいのかなと思います。

1.原則1歳まで (本人のみの場合)

2.1歳2ヵ月まで (パパ・ママ育休プラスの場合)

3.1歳6ヵ月まで (保育所に入所できない場合)

4.2歳まで (3の1歳6ヵ月まで延長した場合で、更に保育所に入所できない場合)

ここで、問題になるのが、2のパパ・ママ育休プラスの場合です。

※パパ・ママ育休プラスの図解リーフレットはこちら

※法改正の全般的な説明はこちら

例えば、

①妻が育休を1歳(原則)まで取っていて、交代で夫が1歳2ヵ月まで取ったが、保育所が見つからなくて、1歳6ヵ月まで延長の申出をした時点。

妻に育児休業を交代することができるか?・・・できます

②①の場合で、夫がそのまま1歳6ヵ月まで延長した後、1歳6ヵ月になったけれども保育所に入所できないので、更に2歳まで延長を申し出た時点。

妻に育児休業を交代することができるか?・・・できません

複雑怪奇ですねぇ。説明する側が、まず、「わからない!」ということに陥る可能性が高いです。全く運用面を考慮しない改正だなぁと思うのは私だけでしょうか?


中途採用者の確定拠出年金の取扱いで注意したいこと

◆「iDeCo」の加入者が急増中

確定拠出年金の加入者数は、会社が社員を加入させる「企業型」が500万人超となる一方、自営業者等が加入する「個人型」は平成28年3月末時点で26万人弱(25.7万人)しかいませんでした。

ところが、今年1がつより確定拠出年金法が改正され、20歳から60歳までの人はほぼ全員が「個人型」(以下、「iDeCo」)に加入できるようになって以降、急速に加入者数が増えています。

平成29年3月末時点のiDeCo加入者数は43.0万人ですが、平成26年3月末が18.3万人、平成27年3月末が21.2万人、平成28年末が25.7万人だったことを考えると驚異的な伸びとなっています。

◆会社員等の新規加入も増加

厚生労働省が毎月公表している「確定拠出年金の施行状況」で、厚生年金や共済年金に加入する第2号被保険者のiDeCoの新規加入者数を見ても、1月末時点が22,647人(8,719人)で、2月末時点が43,694人(23,268人)、3月末時点が47,532人(20,372人)、4月末時点が52,487人(16,939人)と、増加傾向にあります(カッコ内は全体のうち共済組合員の数)。

◆確定拠出年金の「ほったらかし」問題も深刻化

確定拠出年金は、加入者が離転職をしても次の勤務先等へ資産を持ち運べる「ポータビリティー」が魅力とされますが、離転職時には資産の保管先を移し換える手続きが必要です。

この手続きを行わない人が55万人超もいて、将来の受取りへの影響が懸念されています。

◆中途採用者には手続きの呼びかけを

企業型の加入者は、退職後6か月以内に移管手続を行わないと手数料だけが引かれ、試算が目減りしていきます。また、「ほったらかし」の期間は加入期間としてカウントされなくなるので、60歳になっても受取りに必要な10年の加入期間を満たせなくなるおそれがあります。

iDeCoの加入者も、転職先が企業型を導入しているか否かにより異なる手続が必要です。今後、中途採用者の中に確定拠出年金の加入者が増えることが予想されます。会社としては、社員の老後資産の確保のためにも、速やかに手続きを行うよう呼びかけることが望ましいでしょう。

 

いわゆる401Kの適用が拡大されたということですが、そもそも、確定拠出年金法は、企業における退職金の受け皿となる制度として平成13年10月から施行されました。

これまでは、退職給付引当金として企業内部で積み立てていたものを、退職時に一時金として支払われていたものが、60歳になるまで引き出せない個人の資産となり、企業の確定拠出年金加入の場合はその掛金は、企業が拠出してくれてその運用は自分で行う。そして、その結果、資産が増えるか減るかは各人の運用次第ということになります。

ただ、定期預金や個人年金の積立よりは、利率がいいので、うまく利用されて老齢年金と合わせてライフプランを考えるということが流行っているようですね。


出来高払制の保障給

労働基準法第27条 出来高払制その他の請負制で使用する労働者については、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければならない。

よく、外資系企業の日本法人で働く労働者は、「外資系だから・・・」ということで労働法規が適用されないと思われている方がいらっしゃいます。しかし、日本国内における労使関係には、外資系企業であっても、原則として日本の労働法規が適用されます。

たとえば、1件成約につき、〇〇〇〇円を給与として支払うとしているような場合、その月が0件であれば給与はなしというのは認められません。

「労働時間に応じ一定の賃金を保障」という文言には、基準はありませんが、最低賃金法により算出した金額分は、最低限保障されるものと考えられます。

逆に、完全に独立した事業主で、業務委託として仕事を請け負っている場合は、仕事の完了(成果物の引渡し)の対価としての報酬と捉えるので、労働時間に応じ一定の賃金を保障する必要はありません。ただし、たとえば、9時~18時まで〇〇の業務を行うという労務の提供(時間的拘束)がある場合に関しては、その時間については最低保障をしなければなりません。

働き方改革によって、個人で仕事を請け負う、あるいは、テレワーク等により在宅で仕事をすることが、これまで以上に増えてくると予測されますが、知らなかったことにより損をするということがないように心掛けておきましょう。


中小企業における「働き方改革」の導入状況は?

◆中小企業の人手不足は今後も続く?

来年度の新卒求人倍率は、全体で1.78倍、従業員5,000人以上の企業での0.39倍に対して、300人未満企業では6.45倍になると推計されており(リクルートホールディングスの調査)、来年度も売り手市場となり、中小企業での人材確保は厳しい状況が予測されます。

こうした中、商工中金から『中小企業の「働き方改革」に関する調査』の結果が公表されました。この調査は、人手不足への対応にもなると注目され、「働き方改革」で議論されっている各取り組み・制度について、中小企業の導入・実施の状況等を調査したものです(10,022社が対象、有効回答数4,828社)。

調査結果からは、全体的な状況として雇用が不足(「大幅に不足」と「やや不足」の計)しているとする企業が58.7%を占め、「営業」「販売・サービス」「現業・清算」の職種で不足感が強く、特に「正社員」が不足していることがわかります。

◆「働き方改革」について

働き方改革で注目されている12の取組について、「シニア層の活用」「子育て世代の支援」は過半数が既に導入・実施していますが、「在宅勤務」「サテライトオフィス」「副業・兼業の容認」の導入・実施は1割未満でした。

<注目される12の取組み>

①長時間労働の管理・抑制に向けた取組み

②OJT・OFF-JTなど、社員教育の制度

③資格取得・通信教育への補助金など、自己啓発の支援

④在宅勤務制度

⑤勤務先や移動中におけるパソコン等を活用した勤務制度(モバイルワーク)

⑥サテライトオフィス勤務制度

⑦副業・兼業の容認

⑧定年延長など、シニア層活用の制度

⑨育児休業や短時間勤務など、子育て世代支援の制度

⑩妊娠・出産期の女性支援の制度

⑪介護休業など、介護離職防止の制度

⑫外国人労働者活用の制度

 

これからの時代を乗り切るためには、まず、人手不足、「正社員が足りない」のであれば、社内の人材である程度、社内ルールや業務の要領をわかっている非正規労働者を「正社員に登用していく」のが一番の近道であると思います。知識や技術が足りないのであれば、社内あるいは社外での教育訓練を行いキャリアアップを図っていくことが重要です。(キャリアアップ助成金等の活用もできます。)

新卒の正社員でも十分な教育訓練を受けられずに、業務に就かされることが少なくなく、早期の離職につながってしまうこともあります。

ただ、教育訓練は、OJT(職場内教育訓練)だと実務能力は得られますが、人手不足で教え手がいないことが考えられます。また、OFF-JT(職場外で行う教育訓練)だと体系的な学習ができ知識等を業務に役立てることができますが、費用が高いなどの問題があります。(人材開発支援助成金、職場定着支援助成金等の活用)

そういった、教育も含めて、従業員のキャリア形成を通じて、企業の成長戦略を立てていく必要があります。

人材ではなく、人財としての活用の仕方を考えてみてはいかがでしょうか?


「仮眠も労働時間」イオン関連会社に残業支払い命令

イオンの関連会社で警備業の「イオンディライトセキュリティ」(大阪市)の男性社員(52)が宿直の仮眠は労働時間にあたるなどとして、未払い残業代などの支払いを求めた訴訟の判決が17日、千葉地裁であった。

小浜浩庸裁判長は「労働からの解放が保証されているとは言えない」として、原告の請求をほぼ認め、未払い残業代と付加金の計約180万円を支払うよう同社に命じた。

判決によると、男性は2011年に入社し、都内や千葉市のスーパーで警備の仕事をしてきた。千葉市の店で働いていた13年1月~8月には24時間勤務で、30分の休憩時間と4時間半の仮眠時間があった。

原告側は「仮眠時間でも制服を脱がず、異常があった際はすぐ対応できる状態を保ったままの仮眠で、業務から解放されなかった」と主張。小浜裁判長は「仮眠時間や休憩時間も労働から解放されているとは言えない」と指摘した。

男性は残業代支払いを求めた後に出された別の部署への異動命令についても、不当な配置転換だなどとして慰謝料500万円を求めていたが、千葉地裁は「異動は業務上必要があったと認められる」として、請求を棄却した。

閉廷後、会見した男性は「同じような労働環境で働いている同僚がいる。今回の判決が、警備業界の就労環境の向上につながれば」と話した。同社は「判決の内容を精査し、適切な対応をしたい」とコメントした。

出典:朝日新聞デジタル

 

朝のニュースを見て、これはいい資料だと思い、載せさせていただきました。休憩時間や仮眠時間でも、問題があったらすぐに対応しなければならない「待機(手待)時間」であるという考え方が改めて示されたということです。

それよりも、気になるのが「千葉市の店で働いていた13年1月~8月には24時間勤務」という文言で、これについて、残業手当や深夜勤務手当、休日手当等は、適切に支払われているのかという疑問は残ります。具体的な勤務実績等を見ていかないと詳しいことはわかりませんが、もし、警備業界の顧問先ができましたら、そこらへんを注視してみていきたいと思います。


5月30日施行「改正個人情報保護法」への対応状況について

◆3割強の事業者では対応が間に合わない?

これまで5000人以下の個人情報を保有する事業者においては適用除外として扱われておりましたが、5月30日から全面施行される改正個人情報保護法によって、すべての事業者に適用されることになり、企業も対応に追われているところです。

一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が日本商工会議所との共催で行った「中小企業向け改正個人情報保護法実務対応セミナー」(東京:平成29年1月17日・1月27日の2回開催、大阪:平成28年12月9日の1回開催)において、参加者に対して実施した改正個人情報保護法への対応状況についてのアンケート結果によると(全セミナー参加者642名中、回答者544名)、改正個人情報保護法への対応について、現段階で「対応済みである」との事業者は全体の7.9%と1割に満たず、「平成29年の春頃までには対応する予定である(できると考えている)」と回答した割合は59.6%、「いつまでに対応が完了できるかわからない」との割合は28.7%となったそうです。

昨年末から今年頭にかけての回答状況ですが、対応の進んでない企業が少なくない状況が読み取れます。

◆改正個人情報保護法のポイント

1.個人データの第三提供の制限ルールの厳格化に伴う変更点

従業員の氏名、その他の個人データをWebサイトで公開したり、取引先に伝えるときは、個人情報保護委員会への届出をしない限り、本人の同意が必要になります。

① 本人の同意があれば、第三者提供を行うにあたって個人情報保護委員会への届出は不要

② 本人の同意がなく、個人情報保護委員会への届出を行って、第三者提供を行う場合(オプトアウト)

(オプトアウトの手続き)

オプトアウト手続きの内容について、個人情報保護委員会へ届出ることが必要です。

あらかじめ下記の項目を本人が確実に認識できる方法により、本人に通知、又は本人が容易に知り得る状態に置き、本人が提供の停止を求めるために必要な期間をおくこと

ⅰ.第三者への提供を個人データの利用目的とすること

ⅱ.第三者に提供される個人データの項目

ⅲ.第三者への提供の手段又は方法

ⅳ.本人の求めがあったときは、個人データの第三者への提供を停止すること

ⅴ.第三者への提供の停止の求めを受ける方法(新設)

 

2.第三者提供時の記録義務のルール(新設)

上記1を実施した際には、下記4つの記録作成と保存が義務付けられました。

① 提供先の第三者の氏名または名称

② 第三者提供した個人データの本人の氏名

③ 第三者提供した個人データの項目

④ 第三者提供について本人の同意を得ている旨

※また、個人情報保護委員会に届出をしたうえで本人の同意なく第三者提供する場合は、④に代えて「⑤ 個人データを第三者に提供した年月日」を記録する必要があります。

記録の保存期間は、第三者提供の時から「3年間」が原則です。

 

3.要配慮個人情報の取得制限のルール(新設)

病歴に関する情報など要配慮個人情報については、本人の同意がない限り、取得が原則として禁止されました。

<具体的な要配慮個人情報とは>

① 病歴に関する情報

② 心身の機能の障害に関する情報

③ 健康診断の結果に関する情報

④ 健康診断等の結果に基づき、医師により行われた診療、調剤等に関する情報

よって、休職や健康診断の場面で、健康情報を取得する場合には、本人の同意がいることに注意する必要がございます。

 

4.要配慮個人情報の第三者提供の制限のルール(新設)

上記3の要配慮個人情報を第三者に提供する場合は、本人の同意がない限り、原則禁止とされました。

病気による休職や、休職からの復職の場面で、会社が取得した要配慮個人情報を家族に開示するような場面では、本人の同意が必要になります。

 

◆法改正への対応として従業員教育を重視

また、改正個人情報保護法遵守のために何を行ったらよいかとの質問については、従業員教育(従業員の意識向上)(86.4%)、セキュリティ対策構築(情報資産に対するリスク洗出し、リスク対策、サイバー攻撃対応等)(73.5%)、個人情報保護方針や規程類の作成・見直し(71.5%)の順となっています。

同調査では、個人情報保護法の改正について「知っている」との回答は9割以上となりましたが、「改正の内容まで知っている」との回答は4割だったそうです。

内容までは知らない人がまだまだ多い中、まずは従業員教育の徹底は第一課題となりそうです。

◆施行まで1ヵ月を切る

5月30日に迫った改正法の全面施行まであと1ヵ月を切っています。まだ対応が済んでいない事業者も多いかと思いますが、マイナンバー制度の開始から始まり、近時、企業のセキュリティ対策が強く求められているところです。

重大な漏洩事故が起これば企業の経営にも大きく影響しますので、早急な対策が望まれます。