千葉介護医療サポートチーム

人材の確保

医療従事者の人材確保に関して

看護職員の労働実態と考察

問    題

理    由

考    察

定年まで働き続けられない

医療ミスへの恐怖、患者対応、人間関係、サービス残業、休みが取れない(業務又は休日勉強会等)、夜勤、変則シフト等

人材の確保が難しい昨今、院内からの人材流出を回避するためには、院内風土を改善し、働きやすい職場を提供することが不可欠であり、併せて長期的な人材育成を行うことにより流出を防ぐ

夜勤、2交代制勤務の増加

経営上による人員削減、人材不足

業務引き継ぎ等の回数が少なく、まとまった休日が取れる等のメリットはあるが、16時間労働+夜間の長時間労働となるため、健康上の配慮が必要
休憩時間が取れない(特に、準夜勤、深勤務) 患者対応等 巡回の合間の待機時間は、咄嗟のナースコールに備えるためであり、業務に付随する時間なので、それを休憩時間とすることはできない(別途、休憩室等での休憩をとらせるようにする)

夜勤前・後の時間外労働、労働時間の把握の困難

引き継ぎ、患者対応等

時間外労働が発生する場合は、事前にわかれば事前に、難しいようであれば事後に報告でも構わないので、報告体制の整備を行う

当直時の通常勤務

患者対応、人材不足等

労基署の許可を得ていたとしても、断続的な宿日直業務に該当しないため、深夜割増賃金に加えて、通常業務の賃金、時間外・休日割増賃金の支払いが必要

年休取得回数平均8.86日

シフト調整の困難、人間関係等

年休だけに関わらず、産休、育休や介護休業等、各種休日休暇制度の取得には、代替要員の確保が必要なため、周りの理解と協力を得られるような職場環境整備が求められる

仕事上のミス(3交代、2交代は日勤より10%多い)

夜勤明けの起床時間から勤務交代時までの忙しさと疲労によってミスが生じる

看護記録の記入、採血の準備、内服薬の配布等、前倒しできる仕事の実施、点滴、薬剤、採血などの確認をする際は、指差し確認をする等の指導を徹底する

 

夜間看護体制の充実に関する評価

平成28年度診療報酬改定により、医療従事者の負担軽減・人材確保対策が盛り込まれました。

下記では、「夜間看護体制の充実に関する評価の例」と「看護職員と看護補助者の業務分担」について見ていきます。

夜間看護体制の評価に関する項目
① 勤務終了時刻と勤務開始時刻の間が11時間以上
② 勤務開始時刻が、直近の勤務の開始時刻の概ね24時間後以降※1
③ 夜勤の連続回数2回以下
④ 業務量の把握・部署間支援
⑤ 看護補助者比率5割以上※2
⑥ 看護補助者の夜間配置
⑦ 看護補助者への院内研修※3
⑧ 夜間院内保育所の設置

【加算の算定要件】

・看護職員夜間配置加算(1のイ及び2): 7項目(①~⑥、⑧)のうち4項目以上
・急性期看護補助体制加算(夜間看護体制加算): 6項目(①~⑤、⑧)のうち3項目以上
・看護補助加算(夜間看護体制加算): 7項目(①~⑤、⑦、⑧)のうち4項目以上(⑥は必須)
※1 ②は、3交代制勤務又は変則3交代勤務の病棟を有する保険医療機関のみの項目
※2 ⑤の看護補助者比率=(みなし看護補助者を除いた看護補助者数)÷(みなし看護補助者を含む看護補助者数)
※3 ⑦は、看護補助加算を算定する保険医療機関のみの項目

 

以上を踏まえた上で、勤務シフト例を見ていきます。

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人員配置を行うには、これらをベースに考えないと体制加算等の点数が取れなくなってくるため、看護職員は優先的に専門性の高い業務に配置させていく必要があります。
それを実行するためには、次の看護職員と看護補助者の業務分担の推進が非常に有効となってきます。
 

看護職員と看護補助者の業務分担推進

看護職員が専門性の高い業務に集中することができるよう看護補助業務のうち一定の部分までは、看護補助者が事務的業務を実施できることを明確化し、看護職員と看護補助者の業務分担に資する取り組みを実施する。
 
具体的には、
 
①看護補助者は、看護師長及び看護職員の指導の下に、原則として療養生活上の世話(食事、清潔、排せつ、入浴、移動等)、病院内の環境整備やベッドメーキング、病棟内において看護用品及び消耗品の整理整頓等、看護職員が行う書類・伝票の整理及び作成の代行、診療録の準備等の業務を行う。
※各保険医療機関の院内規定において、看護補助者が行う事務的業務の内容を定め特定する。
※1人の看護補助者の延べ勤務時間数のうち事務的業務が5割以上を占める看護補助者を、「主として事務的業務を行う看護補助者」とする。
 
主として事務的業務を行う看護補助者を配置する場合は、常時、当該病棟の入院患者の数が200又はその端数を増すごとに1以下であること。
※主として事務的業務を行う看護補助者のうち、事務的業務以外の業務も行った看護補助者については、事務的業務以外の業務を行った時間も含めて病棟における勤務時間を算入する。
 
<計算式>
(主として事務的業務を行う看護補助者が当該病棟で行った月延べ勤務時間数)
≦ (当該病棟の1日平均入院患者数÷200)×3×当該月の日数×8時間

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これらの施策等により、看護業務への優先度を高めるとともに、体制加算等の措置により経営改善にもつなげることができるようになります。
 

医療法における人員配置標準と計算方法

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<一般病院において必要な医師数に係る算定式>

 

精神病床及び療養病床の入院患者数


 3 

精神病床及び療養病床
以外の入院患者数(歯科
、矯正歯科、小児歯科及
び歯科口腔外科を除く)

外来患者数


 2.5 

(1) Aが52までは医師3人(最低限)
(2) Aが53以上は

A―52


 16 

医師数

 

※歯科医師数は、
  ① 歯科医業についての診療科目とする病院・・・入院患者数が52までは3人、53以上は16または端数を増すご
          と に1人。
    外来患者については実情に応じて必要と認められる数を加えた数。
   ②①以外の病院・・・歯科、矯正歯科、小児歯科及び歯科口腔外科の入院患者数が16までは1人、それ以上16
          または端数を増すごとに1人。
    外来患者については実情に応じて必要と認められる数を加えた数。
 
<特定機能病院において必要な医師数に係る算定式>

 

入院患者数(歯科、矯正歯科、小児歯科及び歯科口腔外科を除く)
+外来患者数(歯科、矯正歯科、小児歯科及び歯科口腔外科を除く)


 2.5 

 
    B  ÷  8  =  医師数  
 
※歯科医師数は、歯科、矯正歯科、小児歯科、歯科口腔外科の入院患者数が8またはその端数を増すごとに1以
    上外来患者については実情に応じて必要と認められる数を加えた数。
 

看護体制における人数

看護体制とは、看護師1人あたりの受け持つ患者の数です。
看護体制は、入院患者1人に対する看護師の人数に応じて、「15:1」「13:1」「10:1」「7:1」と4つに区分されています。
「7:1」の看護体制は、入院基本料が最も高く、これにより、「7:1」体制の導入が相次ぎ、看護師の取り合いから看護師の病院格差が生まれました。
※平成28年度の診療報酬改定では、一般病院(特定機能病院以外)の一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」の見直しが行われ、「7:1」入院基本料の算定基準が厳しくなりました。
 
・看護体制における人数の計算
ここで、ふとした疑問が生まれてくるわけですが、上記「医療法における人員配置標準」では、一般病院の一般病棟の看護師は「3:1」です。
 
例えば、A病棟の患者数が30人、B病棟の患者数が30人だとすると、看護師は全体として20人必要ということです。
1日は24時間ですので、3交代または2交代で患者1人に対して必要な人数を割り出します。
 
(A病棟 「7:1」体制の場合)
看護師数=30÷7
             =4.28・・・
           ≒(1勤務あたり)5人
 

3交代制:5人×3回転=15人⇒休日交代を考慮すると全体で20人必要
2交代制:5人×2回転=10人⇒休日交代を考慮すると全体で21人必要(※週40時間のため)

 
(B病棟 「10:1」体制の場合)
看護師数=30÷10
      =(1勤務あたり)3人
 
3交代:3人×3回転=9人⇒休日交代を考慮すると全体で12人必要
2交代:2人×3回転=6人⇒休日交代を考慮すると全体で11人必要
 
結果、
3交代:A病棟+B病棟=(5×3+())+(3×3+())=32人
2交代:A病棟+B病棟=(5×2+(5×2+1))+(2×3+())=32人
※()内の赤字は交代要員数
 

よって、「7:1」「10:1」体制においては、人員配置標準を上回るものとなっております。
また、「7:1」体制は、人員配置標準の倍程度の人員が必要になるため、経営を圧迫することにつながる可能性もあります。


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